Alv hagen -妖精の舞う園-

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異境にたたずむ孤独

今月18日に栃木県鹿沼市で発生した、クレーン車による小学生死亡事故。
報道を見る限り、事故を起こした運転手は癲癇(てんかん)を持病にしていて、運転中に発作を起こした可能性が取り沙汰されているそうです。
栃木県というのは運転マナーのひどさで悪名高く、隣の群馬県では「宇都宮」「とちぎ」ナンバーを見かけただけで近付かないとも言われていて、私も元学校の先輩の車に乗せてもらっているときに栃木の悪質ドライバーからイヤガラセを受けたことがあります。
私が今住んでいる地域を含めて、悪質な無法ドライバーが多くいる地域というのは全国にありますが、栃木の場合は「自己中心的な」ドライバーが多いことに尽きます。
譲り合いの精神に欠け、自分が原因の接触などでも相手のせいにして暴言を吐くなど、同じ車社会でも東北では絶対に見ることのない光景に出くわすことも残念ながらあるのが現実です

そのようなことを思いながら見ていたこのニュース。
私にとって小中高校を過ごした栃木県で起きた痛ましい事故というだけでも、ニュースサイトを見ていてイヤでも目に付いてしまう記事でしたが…その後明らかになってきた内容に、ますますヒトゴトでいられないと思ったのでした。
一部の親しい相手には「脳の持病」があるとだけ話したことがありますが・・・私もこの病気の持つ一人です。
癲癇というと「突然意識を失って倒れ、身体をこわばらせて白目で泡を吹く」のようなイメージが根強くあるようで、それが偏見や差別に結びつくことも少なくありません。
また、ほかの障害などと違って発作を起こさない限り「普通の人」にしか見えないため、以前ほどではありませんが冷たい風当たりにさらされることもあります。

自分の体験として考えても、東京のとある会社で働いていた際に突然発作を起こし、救急車で渋谷の日赤医療センターに搬送された翌日、(大事はなかったので)出勤したところ社長に突然呼び出されてその場で解雇を通告されたことがあります。
いわく、「君みたいに怖い者を社員として雇えない」と入社から3ヶ月でクビになったのでした。
このときは、それ以前から社内の人たちとあまり上手く関係を築けず孤立した状態だったこともあって、勤務中に起きた発作は口実でしかなく『会社に溶け込めなかった』自己責任もあるとは思っていますが…

癲癇というのは発作が起きている間は本人に全く意識がなく、取り戻した後もしばらく朦朧(もうろう)状態が続くことが多いため、私には自分の発作状態というのが全く分かりません(目撃した人は気味悪がったり、恐れをなして誰も教えてくれませんし…)。
それと、10年以上前に起きたテレビアニメでのポケモンショックで有名になった「光過敏性てんかん」の症状も持ち合わせているので(脳波検査で主治医の先生に「光刺激に対する反応が強いね」と言われて「ポケモンショック?」と返したら「それそれ、それだよ!」と身を乗り出し私を指差して言われたなぁ)、電車や自動車などに乗っていて朝日・夕日に照らされる木漏れ日やビルの谷間を高速で走り抜ける際、日向と日陰が激しく入れ替わるのも私には非常に苦痛だったりします。

なので…持病としている者の一人として考えると、発作はワザと起こすものではない以上この運転手をいたずらに責める気になれなかったりします。
それ以上に、もし本当に症状を持っていて仕事中に発作を起こしたが原因なのだとしたら、本人と同じくらい会社に対して管理責任を強く問うべきだと個人的に思います。
私が仕事中に発作を起こした時の会社とその前に勤務していた会社がそうでしたが、発作を誘発する最大の原因は『過労とストレス(による睡眠不足を含む)』です。
仮に症状の持ち主だとして、この運転手は会社にそのことを素直に打ち明けていたのでしょうか…?
打ち明けていたとしたら、発作を引き起こす大きな原因に対する理解が不足していたのか、それとも打ち明けていなかったとしたら運転手は私のように「理解してもらえない、どころか偏見を持たれて社内での立場を失う」と考えていたのでしょうか…?
生涯飲み続けなければならない場合もある薬を、運転手は「忘れていた」と供述している…とニュースは伝えていますが、私にはこの伝を素直に受け入れられない気持ちがあります。
薬の副作用については後述しますが、多くの抗てんかん薬には強い催眠性の副作用があり、「服用することでウトウトしてしまい、事故を起こして(しかも居眠り運転として扱われる)大変なことになる」ことを恐れたのではないか・・・ついそんなことを思ってしまうのです。
結果として見れば、重大な事故は起こってしまったので…暗澹な思いに陥ってしまいますが…
事故は朝方に発生していることのように、発作の可能性を示唆する状況もある一方で、運転手はなぜ事前に予兆を感じた時点でクレーンを降りて、乗り切るまで待つことができなかったのか…?という疑問は残ります。
全ての人がそうなのかは分かりませんが、発作が起こる前には一般に「アウラ」と呼ばれる異常現象が起こります。
それは本当に異常な状況で、私の場合は『目の前の空間が突然歪曲しだす』や『見えていた光景がゴソッと崩壊して、真っ白な虚無空間のようになる』ように見えるという現象があり、その後は(おそらく倒れた際に、床や地面に打ちつけた)頭の痛みとともに意識がフワッと瞬時に蒸発するように消失して、あとは倒れた状態のまま意識を完全に取り戻すまで何も記憶していません。
アウラから実際の発作までは時間に差があって、ほとんど連続して起きることもあれば2~3時間後に発作という場合もありますが、(あくまで私の場合ですが)遅くともお昼前に起きることが多く午後にはあまり起きません…夜間は数える程度しかないような気がする

ここまで色々と書いてきましたが、この運転手は過失とはいえ小学生を何人も死亡させていますし、子供たちのご両親を思うと重大な罪科は免れません。
ですが、同じ病気を背負う者として思うのは…社会に対して誤解と偏見をすぐに消し去って欲しいこと、そして医療に携わる人々には「仕事の妨げにならない抗てんかん薬」の開発と普及を切にお願いしたいということです。
この病気は発症原因のメカニズムが今なお不明な特発性疾患が大部分を占めていて、私も「病気や発作と一生付き合っていく」覚悟を医師から求められたことがあります。
毎日継続的に飲み続けていかなければならない薬は基本的に「脳を沈静化させて発作を抑える」ことが目的のため、強い催眠効果を副作用に持つものも多くあります。
個人的にも、あまりにウトウトしやすくて仕事に集中できず、無理解な職場から勤務態度が悪いと評価されるのを恐れて、薬の効果を打ち消してしまわないか心配しながら、本当は好きではないブラックコーヒーを大量に飲んだりしていました。
だからこそ、ある意味矛盾していて難しいお願いなのかも知れませんが…「強い催眠作用のない薬の開発と普及」は私にとって心からの願いでもあります。
運転免許との関わりで言えば、取得制限の例外を満たさない限り本当は運転をすることを認められていません。
将来社会に出るとき、とび職や高層ビルの窓拭きのような高所作業を伴う仕事、ダイバーや海女のように水中に潜ってする仕事、バスやタクシー・電車のような乗り物の運転手にはなれないと言われてきたので、それは承知していましたが…正直なところ普通の運転免許にも制限があることを取得した時点で知りませんでした。
そのため、本来であればルールを守っていると言えない状態でもあり、横浜に住んでいた頃のように自分で運転しないでも移動できる環境であれば、積極的にドライブなどをする気になれません。
ですが…残念ながら大都市ではない地方の場合、自分で車を持って運転しなければ仕事にも買い物にも行くことが出来ない場合がとても多く、万が一運転中に発作が起きて重大な事故を起こしてしまったら…という不安が常にありながらも運転せざるを得ない現実があります。

追伸:カテゴリに(最近の記事しかありませんが)「国内ニュース」を追加しました。
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